病院ブログ

2019.04.13更新

暖かくなってきて、ノミ・ダニやフィラリアなどが気になる季節になってきました。

ノミ・ダニの詳しい話はまた今度にしますが、葉山周辺では真冬でもダニに噛まれて来るワンちゃんが多かったので通年予防をオススメしています。

 

 

さて、フィラリア症という病気はご存知でしょうか?

名前だけ知っていて、何となくお薬を使って予防している方も多いのではないでしょうか?

 

フィラリアは、線虫という寄生虫の1つで心臓や血管に寄生し心不全などを引き起こす原因となります。

 

フィラリアの一生は以下のようになります。

fil

 

図にも書いてある通り、フィラリアは蚊から感染します。

 

ここで一つ誤解が生まれるのですが、「蚊がいる=感染する」ではありません。

 

もう一つ必要になるのが気温なのです。

蚊の体内でミクロフィラリア(mf)が成長し、感染力を持つL3に成長するためには一定の気温が続く必要があります。

平均気温などから感染期間を推測する方法があるのですが、詳しい話は省略します。

興味がある方はHDUと検索していただければ色々と出てくると思います。

 

暖かい日が続き、蚊からフィラリアに感染すると、ワンちゃん(猫ちゃんもうつります)の体内でフィラリアがどんどん成長していきます。

目安としては、感染から90日ほどで成虫となり血管(肺動脈)や心臓に到達し、症状を表します。

そうなってしまう前にお薬を使って予防する必要があるのです。

 

タイトルにも記載しましたが、フィラリアのお薬は一度投薬すると1か月間フィラリアを予防できると思っている方が多いと思います。

実際に動物病院でも「予防薬ですよ」と言ってお出しすることもある為、ほとんどの方はそう思っているのではないでしょうか?

 

結論から言うと、フィラリアのお薬は予防薬ではなく、駆虫薬です。

厳密には、「mf」「L3」「L4」に効果のある駆虫薬です。

投薬したときに体内にいるフィラリアを駆虫することによってフィラリア症の予防を行います。

極端な話、投薬した翌日にフィラリアに感染した場合は効果をしめしてくれないのです。

なので、「フィラリアのお薬=駆虫薬」が正解になります。

 

では、いつからいつまでお薬を使う必要があるのでしょうか?

フィラリアのお薬は上にも書いた通り「mf」「L3」「L4」に効果のあるお薬です。

「L5」や「成虫」には効果が低く、100%駆虫することはできません。

なので、「L5」に成長する前にお薬を使ってあげる必要がでてきます。

 

体内に感染した「L3」が「L5」に成長するのは、感染から最短でも50日かかります。

なので、50日以上投薬の間隔があいてしまうと感染を防ぐことが出来なくなってしまう可能性があります。

 

投薬忘れなどによる感染を防ぐ目的で、フィラリアのお薬は1か月ごとに投薬するのが一般的です。(万が一、数日過ぎてしまっても猶予があるように)

かつ、「L3」「L4」の段階で駆虫する必要がある為、投薬期間としては「フィラリア感染開始1か月後~感染終了1か月後」までとなります。

 

神奈川県は(エリアによっても多少違いますが)、毎年5月初旬に感染が始まり11月初旬まで感染が続くため、「6月初旬~12月初旬の計7か月」予防する必要があります。

 

 

お薬を開始する際は、フィラリアに感染していないことを確かめてから投薬を行います。

万が一フィラリアに感染している子にお薬を使うと、ショック症状を起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

安全にお薬を使うために、必ず検査を行ってから投薬するようにしましょう。

 

葉山一色ペットクリニック

院長 

投稿者: 葉山一色ペットクリニック

2019.03.19更新

子宮内膜炎とは、子宮の内膜が可能性炎症を起こすものであり、黄体ホルモン(プロジェステロン)の刺激に対しておこる子宮内膜の肥厚の後遺症として起こります。

また、子宮内腔に膿汁が停滞した化膿性疾患が子宮蓄膿症であり、その発症には黄体ホルモンの分泌が深く関与しています。

通常、猫は交尾排卵動物であり黄体期の機会が少ないため本疾患の発症は犬と比べ少ないですが、不妊交尾後の黄体期や自然排卵する猫も知られているため、その黄体期に発症すると考えられています。

 

子宮蓄膿症は、外陰部から排膿が認められる「開放性子宮蓄膿症」と、排膿が見られない「閉鎖性子宮蓄膿症」がありますが、閉鎖性の方が中毒症状が重い傾向にあります。

 

症状は、一般的に「食欲不振」「元気消失」「多飲多尿」「嘔吐」「腹部膨満」が認められますが、猫では嘔吐や多飲多尿は多くはありません。

進行すると、細菌の毒素により腎不全や播種性血管内凝固(DIC)を引き起こし、命に係わる事もあります。

 

診断は血液検査や、レントゲン検査超音波検査などにより、液体貯留し腫大した子宮を確認することによって行います。

 

治療は、救命を考えると外科的に卵巣・子宮摘出術を行うことが推奨されます。

しかし、若齢気に発症し繁殖を考えている場合、高齢で麻酔や手術のリスクが高い場合は内科的治療が選択されるケースもあります。

黄体ホルモン(プロジェステロン)受容体拮抗薬であるアグレプリストン(アリジン)というお薬による内科的治療は猫では報告は多くは無いですが、犬と同様の方法にて有効であることが知られています。

ただし、海外薬のみであり日本国内では入手できないお薬のため、すべての動物病院で出来る治療ではありません。

 

 

手術前の猫ちゃんのお腹の様子です。

あおむけの状態ですが、おなかが張っているのが分かります。

子宮 猫

 

 

術中の写真です。

子宮内に液体が貯留し、子宮が腫大しています。

子宮 猫2

 

 

摘出した子宮です。

左右の卵巣にも異常が認められます。

子宮 猫3

 

外科摘出後は腹膜炎などを併発していなければ予後は良く、通常通りの生活を送ることが出来ます。

 

猫ちゃんは犬と比べ、症状が出にくいため気が付くのが遅くなる傾向がありますが、避妊手術を行っていない猫ちゃんで上記のような症状が認められましたら早めにご相談ください。

 

 

 

 

投稿者: 葉山一色ペットクリニック

2019.01.09更新

お外に出る猫ちゃんはどうしてもケンカをして帰ってくることがあると思います。

この子も残念ながらケンカをして、右目に穴が開いてしまった子です。

 眼球摘出

 

時間が経過していたため、眼球を温存するのは困難だと判断し、眼球摘出を実施しました。

 

摘出後の様子①

眼球摘出2

 

 

摘出後の様子②

眼球摘出3

毛が伸びてくると手術した部分は徐々に目立たなくなっていきます。

 

 

このような外傷以外のケースでも、緑内障や眼球の腫瘍が疑われるようなケースでも摘出することがあります。

 

眼球摘出と聞くとどうしても及び腰になってしまう方も多いと思いますが、状況によっては不快な状態から解放されるため、時には一つの選択肢になると思います。

 

院長 奈須俊介

 

投稿者: 葉山一色ペットクリニック

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