病院ブログ

2021.01.30更新

うさぎさんの血尿はいろいろな原因が考えられます。

そもそも血尿ではなく、色素尿と言って食べ物中の色素が尿に混ざり血尿のように見えてしまう事もあります。

 

ではどうやって血尿なのか色素尿なのか見分けるかというと、、、

 

オシッコ検査をするしかないです。

 

血尿であれば潜血反応が出ますが、色素尿では出ません。

なので、おうちで赤色やオレンジ色のオシッコが出た場合は、病院でオシッコ検査をしましょう。

おうちで採尿が難しければ、溜まっていれば病院で採尿することが出来ますので、ご相談ください。

 

では、血尿だった場合は何の病気が考えられるかというと、

① 膀胱炎

② 膀胱結石・尿道結石

③ 腎結石・尿管結石

④ 膀胱腫瘍

⑤ 子宮疾患

などが考えられます。

 

病気を絞り込むため、オシッコ検査やレントゲン検査・エコー検査を行い確定していきます。

特に女の子は子宮疾患が多いので注意が必要です。

 

種類によっては4歳を超えると50~80%の子が子宮腺癌(悪性腫瘍)になるとも言われています。

また、2歳を超えると子宮に何らかの異常所見が認められることが多いとも言われています。

 

 

先日、ネザーランドドワーフの女の子が血尿を主訴に来院されました。

年齢は2歳になっていない子です。

オシッコ検査やレントゲン検査をしましたが、結石や明らかな感染なども認められませんでした。

エコーでは子宮も明らかな異常は見つけられませんでした。

年齢的には子宮疾患の可能性は高くはないのですが、血尿が強く出ていたため飼い主さんとも相談した結果、避妊手術を実施することになりました。

 

手術中の様子です。

うさぎ子宮

手前側の子宮が腫れており、中に液体が貯留している様子がわかります。

卵巣や反対側の子宮には肉眼的な異常は認められませんでした。

 

術後の様子

うさぎ術後

糸で縫うとかじってしまう事が多いので、ステープラーというホッチキスみたいなもので傷口をふさぎます。

左側のおしりのあたりから血が出ているのが分かると思います。

 

この子のように、2歳未満の若齢の子でも子宮疾患になる事があるので、女の子のうさぎさんは出来れば1歳ぐらいまでに避妊手術を行うことをオススメしています。

もちろん麻酔のリスクもゼロではないですが、病気になるリスクもあるため、どちらが良いか考えて判断しましょう。

 

 

投稿者: 葉山一色ペットクリニック

2020.01.28更新

うさぎさんは、ワンちゃんネコちゃんと違い、オシッコの中にカルシウムが多く排泄されます。

そのため正常なオシッコでも結晶が見られることが多いため、尿検査を定期的に行っていても診断的な意義はあまり高くはありません。

 

うさぎさんで重要なのは、頻尿、尿漏れ、血尿などの症状やレントゲンやエコー検査などの画像検査になります。

 

先日、血尿を主訴に来院したウサギさんのレントゲン写真です

結石

膀胱内に1cm程度の石があるのが確認できました。

 

うさぎさんの結石は食事療法では溶解しないため、手術が必要になります。

この子も手術を行うことになりましたが、さらなる結石症の予防の為に低カルシウム系のペレットに変更するなど食事療法も行うことになりました。

 

 

手術当日のレントゲンです

結石

膀胱内にあった結石が消失しています。

 

この子は女の子であったため尿道が太く、運が良く自然に排出されていました。

 

通常1cmほどの大きさになると自然排出は難しいのですが、中には自然に排出されることも有ります。

ただし、大きさによっては尿道を詰まらせてしまったりすることもあるため、経過観察には注意が必要です。

 

結石を予防するためには低カルシウム系のペレットや牧草(チモシーなどのイネ科)に切り替え、適正体重を守ることが重要です。

うさぎさんは途中から食事の種類を変更することが難しいと言われていますので、食事の変更の際には根気よく徐々に行うことをオススメします。

 

院長 奈須俊介

投稿者: 葉山一色ペットクリニック

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